自分が一般事務職として入社したのは、とある高速道路のサービスエリア(サービス業)でした。経理の経験は一切なく、もちろん簿記の資格もありませんでした。
必要条件には簿記の資格は無く、入社してからも上司から簿記の資格は取得しなくていいよ!って言われていました。
一般事務職の業務の一つに会計処理がありますが、会計処理は大抵の場合会計ソフトを使うので簿記資格が無くても普段使用している勘定科目や借方・貸方どっちにどんな勘定科目を入れればよいのかさえ覚えてしまえば機械的に入力すればだいたい事足ります。
果たして、会計ソフトを使用する状況の中で簿記取得の必要性はあるのでしょうか?簿記3級を取得した経験をもとに感想を述べたいと思います。
サービス業の一般事務職の仕事は盛りだくさん
サービス業の一般事務としての仕事としてやるべきことは会計ソフトを使用した会計処理の他にもたくさんあります。
- 仕入れ伝票入力
- 現金管理
- 棚卸し
- 発注業務
- 市役所などへの申請書類の作成
- 備品等の調達
といったことだけでなく細かいことまで含めると書ききれません(^_^;)
もちろん、会社によっては役割分担がきっちりしているところもあるのでしょうが、人数の少ない会社だとあれもこれもと仕事が降って湧いてくるのではないでしょうか?
とくにサービス業は現場への投資が人件費を含めても多いのでどうしても一般事務のような管理部門に対しては潤沢に人件費をかけられるところは少ないと思います。
サービス業の一般事務の仕事はどうしても多くなるので、会計ソフトに仕訳をする作業の割合は少なめかも知れません。
サービス業の一般事務職のためのおすすめ簿記資格とは?
会計事務所のような経理を専門的に行うような会社でなく、サービス業の一般事務であれば簿記取得は「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」、いわゆる「日商簿記」の3級か2級を取得すれば通常業務であれば問題ないと実感しています。
個人的には日商簿記は簿記の勉強を始めるのに知名度もあってとっかかりやすい気がします。
3級は「商業簿記」が試験範囲になっていて、2級の場合はより深い「商業簿記」と「工業簿記」から出題されます。
販売・小売業といったサービス業に勤務していれば簿記3級、工場など仕掛品(しかかりひん、完成していない製品)を扱う業種であれば簿記2級が取得するのであればまずは目指す資格になります。
3級は個人事業主向け、2級は株式会社向けなんてネットで見かけたかもしれませんが3級でも日々会計処理していくとレベルが勝手に上がってきますので株式会社に勤務でも一般事務の仕事の中で問題を感じたことはありません。
3級は取得したけれど・・・
簿記の事を全くわかっていない状況で簿記を学びたい!って思ったのがきっかけで3級取得を目指して休日とかに1ヶ月位勉強して取得することは出来ました。
それなりに時間を割いて勉強したので3級を取得した時はとてもうれしかったです。実務でも3級レベルでも十分に得た知識を活用できます。しかし、
簿記の勉強で得た知識と実際の会社で行っている取引の入力(仕訳)は違ったりすることが多いです。
簿記の勉強をしていると仕入れに関する掛取引(代金を後日支払う取引)のものだけに買掛金という勘定科目で計上し、仕入れに関するものでない掛取引は「買掛金」を使わずに「未払金」や「未払費用」で仕訳しますが、うちの会社では基本全て「買掛金」のみで計上しています。
これは、色んな勘定科目で計上すると支払いを見逃してしまうのを防ぐために設けたローカルルールです。ちなみに会計士さんに聞いてみたら問題ないそうです。問題なのは今までローカルルールでやって来たことをこちらの方が正しいからと計上するやり方を変えることだそうです。
また「手形」等、実際の業務と関係のないものまで勉強しなければなりませんでした。
資格取得を目指すとなるとどうしても実際と関係のない事まで勉強しなればいけなくなるのである程度覚悟をしておいたほうが良いと思います。
まとめ
実際のところ会計ソフトを利用している会社がほとんどなので、会計ソフトを問題なく利用出来ていれば会社から求められない限りは資格を取得する必要はないと思います。
しかし、経理という仕事柄簿記の知識が無いと毎日の入力作業はできてもそこから作成される貸借対照表や損益計算書といったものから数字の意味合いを抽出することが出来ないので、将来的に会社の強みを伸ばし業務改善を行うようなポジションを目指すのであれば簿記の知識は必須です。
資格取得は目的ではありませんが、資格取得を目標にするとモチベーションも上がって簿記を学ぶきっかけになりえます。
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